デジタルサイネージの保守にリブーターを。ハートビート監視の仕組み

デジタルサイネージの保守にリブーターを。ハートビート監視の仕組み手動で再起動しにくいデジタルサイネージの保守に、課題を感じていませんか?サイネージのフリーズを検知するには、死活監視機能を備えた装置の導入が効果的です。サイネージの保守に向くハートビート監視の概要や仕組み、おすすめの電源制御装置を紹介します。

デジタルサイネージの保守に向く機能は?

デジタルサイネージのフリーズは、イベントの中止や日常業務への支障など、ビジネスにおいて大きな問題を引き起こします。適切な保守の下、常に適切に動作する状態にしておきたいものです。

サイネージの保守に役立つ機能(または行動)としては、機器やソフトウェア・サーバなどが正常に動作しているかをチェックする「死活監視」が挙げられます。複数のタイプがある死活監視の中で、サイネージの保守に適した死活監視機能や、その仕組みを把握しておきましょう。

対象からの信号を待つ「ハートビート監視」

デジタルサイネージの保守に役立つ死活監視は「ハートビート監視」です。ハートビート監視とは、動作をチェックしたい対象が定期的に発信する「ハートビートパケット」というデータの塊を常時受信し、異常やフリーズを検知することを指します。

ハートビート監視に使うのは、機器やシステムに異常がないかをチェックする「ウォッチドッグタイマー (WDT)」という仕組み です。

デジタルサイネージのフリーズはほとんどのケースで、ディスプレイにつないで映像を映すSTB(セットトップボックス )を再起動するだけで直ります。とはいえ、STBの設置場所は遠隔地だったり駅地下の柱の中だったりすることが多く、簡単には再起動できません。

そこでハートビート監視の機能を持つ電源制御装置を導入すれば、STBの場所を問わずサイネージのフリーズを検知して再起動できるようになります。ハートビート監視にはハートビートパケットを送出するソフトが必要になるので、監視装置の導入に当たっては併せて準備が必要です。

死活監視のタイプは他にも

ハートビート監視以外にも、死活監視にはさまざまな種類があります。オフィスでの日常業務に使う機器やシステムにも関係してくるため、代表的なタイプを押さえておきましょう。

● PING監視

● メールサーバ監視

PING監視はハートビート監視とは反対に、監視対象に向けてパケットを送り、応答があるかどうかでフリーズの有無を判断するタイプです。PINGに対応している機器なら、ソフトのインストールは必要ありません。

ただし、OSやアプリケーションがフリーズしていても、対象の機器自体が正常に動いていれば正常にPING応答してしまう点が弱みです。ルーターやスイッチングハブの保守に使うのが適切といえます。

メールサーバ監視は、メールの受信可否を定期的にチェックし、インターネットに接続できているかを確認できる補助的な機能です。

何の保守に使いたいのか・どのような状態になったときに異常と判断したいのかを考えて、導入する装置の死活監視機能を吟味しましょう。

 

ハートビート監視の仕組み

サイネージの保守に使う機器の導入に当たっては、簡単に仕組みを理解しておくとスムーズです。明京電機が提供している電源制御装置を例に、ハートビート監視のフローを大まかにまとめました。

1. HBパケット送出:監視対象が「元気です」という通信パケット(ハートビートパケット)を定期送信

2. 受信確認:監視装置がハートビートパケットを受信できたかチェックし、【未受信回数】をカウントする

(A)設定した秒数までに受信できたら「受信」→【未受信回数】を0にリセット

(B)設定した秒数までに受信できなかったら「未受信」→【未受信回数】を+1

※設定した秒数=【ハートビート監視間隔】

3. 状態判定:【未受信回数】で監視先の状態を判定し、「Time Out」判定時は設定した動作を実行

(A)【未受信回数】が設定値より少ない間は「Received」

(B)【未受信回数】が設定値以上になったら「Time Out」→設定した動作(再起動など)を実行

※設定値=【Time Out判定数】

判定した状態によって再起動、その後にまだ解消していないようならフローを繰り返すといった設定をして 利用します。異常と判断したい状態を定義した上で、対象機器の保守に必要な動作を指示するイメージです。

サイネージの保守を助ける「リブーター」

デジタルサイネージの保守には、ハートビート監視機能を備えた「リブーター」がおすすめです。明京電機が開発・販売するリブーターの概要と、活用シーンを紹介します。

リブーターとは?

明京電機が開発を続けてきたリブーターは、ネットワークに対応した電源制御装置です。デジタルサイネージやPC・ルーターといった電子機器につないで、電源の供給をON・OFF、再起動(リブート)することにより電源制御ができるようになります。

ハートビート監視機能はもちろん、PING監視やメールサーバ監視を備えており、遠隔地からでもさまざまな機器の電源制御を自動的に実施できるのが強みです。サイネージの保守に特化したリブーターも用意しています。

リブーターの導入効果は大きい 

リブーターはデジタルサイネージの他、PCやルーター・スイッチングハブ・監視カメラなど、幅広い機器に使用できる装置です。すぐに担当者が駆けつけられない場所でのイベントやテレワークをはじめ、幅広いシーンにおけるコスト削減に役立ちます。

これまで手動で再起動をしていたところにリブーターを導入すれば、人件費やダウンタイムの縮小といったメリットを実感できるでしょう。

ITインフラは今や、ビジネスを支える基盤といっても過言ではありません。コストやタイムロスの削減はもちろん、顧客の信頼獲得にもリブーターの導入が大きな効果をもたらすはずです。

サイネージ保守に使えるリブーターの独自機能

一口にリブーターといっても、対象となる機器によって有用な機能は変わります。サイネージ保守用のリブーターの特徴は、ハートビート監視機能が充実している点です。他にも通常のリブーターにはない機能があります。独自機能を押さえて導入の参考にしましょう。

「CPU監視機能付き」のハートビートパケット 送出ソフト

デジタルサイネージの保守で面倒なのが、STBの再生ソフトだけがフリーズしてしまうケースです。フリーズしていないソフトが「元気です」という信号を送り続けるため、リブーターはフリーズを検知できません。

そこで明京電機では、サイネージ保守用のリブーターを購入・登録したお客さまに「CPU監視機能付き」のハートビートパケット送出ソフトを無償提供しています。

このソフトを使えば、CPU監視機能によりSTBの特定アプリケーションがフリーズしたことを検知して、ハートビートパケットの送出をストップできます。

シャットダウンリブート(Sh->Re)動作設定

明京リブーターの死活監視で設定する「Reboot(再起動)」は、アウトレットの電源出力をOFFにして再びONにすることで、接続した機器を強制的に再起動させる動作です。

ただ、「STBの再生ソフトだけがフリーズしてしまった場合は、できればシャットダウン処理をしてから再起動をかけたい」という声もありました。そこで、サイネージリブーターのハートビート監視限定で用意した動作が「シャットダウンリブート(Sh->Re)」設定です。

Sh->Re設定にすると、状態判定をして再起動をかけるときに、シャットダウンスクリプトを試してから再起動動作に移るようになります。Sh->Re設定により、シャットダウンせず再起動することによるトラブルを減らせるでしょう。

なお、デフォルト設定では、シャットダウンが成功しなかったとしても再起動する仕様です。 

監視先も4つまで設定できる

標準のリブーターのハートビート監視先は1つまでですが、サイネージリブーターのハートビート監視先は4つまで設定可能です。サイネージリブーター1台で、複数のSTBを管理できるように作られています。

どのSTBがフリーズしたときにどのアウトレットを電源制御するかは、もちろん自由に選べます。ただ複数のSTBを監視する場合は、リブーターに届くハートビートパケットを区別できるように設定 しましょう。

デジタルサイネージの保守は明京電機に相談を

デジタルサイネージの保守には、ハートビート監視機能を備えた明京電機のリブーターが役立ちます。ただ、ハートビート監視で電源制御を実現するには、ハートビートパケット送出ソフトのインストールやリブーターの設定が必要です。機器の設定に慣れていないと、難しく感じるかもしれません。

リブーターに興味があっても不安を感じる場合は、ぜひお問い合わせください。ネットワーク電源制御のリーディングカンパニーとして紡いできた歴史と技術力を基に、導入・運用を誠心誠意サポートします。

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