明京コラム|IoT社会における遠隔電源制御について
IoT活用に向けた社会整備
IoT(Internet of Things)という言葉を聞くようになり久しくなりました。
展示会などで「IoT」と耳にすることが増えたのは、2010年代半ばになるかと思います。
この頃、経済産業省では「製造基盤白書」(2016年版)の中で、総務省では「情報通信白書」(2017年版)の中でIoTという表現が使われています。
今年、経済産業省からは「電気用品、ガス用品等製品のIoT化等による安全確保の在り方に関するガイドラインについて」が示されました。
電気用品安全法に関しては、2013年より電気用品調査委員会により遠隔操作に関わる検討が行われ、幾つかの報告書がまとめられています。
(「遠隔操作に関する報告書等」(2019年11月更新))
このようにIoT社会における「遠隔電源制御」のための社会的、法的な整備が整えられてきました。
- 2016年版ものづくり白書
- https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2016/honbun_pdf/index.html
- 平成29年版情報通信白書(PDF版)
- https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/pdf/index.html
- 電気用品、ガス用品等製品のIoT化等による安全確保の在り方に関するガイドラインについて
- https://www.meti.go.jp/product_safety/consumer/system/iot.html
IoTを使えば変わること
IoTでは、モノがインターネットに接続されることで、従来では得られなかった様々な便益がもたらされるようになります。
例えば、空調管理は、オフィスや工場、あるいはビニールハウスにおいて生産性に大きな影響を及ぼします。
従来であれば、室温を設定した温度に保つことが、システムに求められるところでしたが、IoTを活用するならば、さらに多くのことを期待できます。
例えば、壁や天井の周囲温度、室内の風量、天候や時刻など、様々な要素に応じて適宜最適な室温を判断し、維持するシステムが可能になるかもしれません。
室温データーと生産性を分析することにより、さらに生産性を向上させることも期待できるでしょう。
この点、農業分野は、IoTが積極的に活用されている分野の一つと言えるでしょう。
農林水産省も「スマート農業」としてIoTの活用を推奨しています。
温度、湿度、照度、土壌水分、炭酸ガス濃度など様々なデータを収集・分析する取り組みがなされていて、収穫量のUPや、病気予防など、良い成果が出ているようです。
これは、IoTの特長である「情報収集機能」の上手な活用例です。
IoTを使った電源制御
IoTの別の特長は、「遠隔制御機能」です。
明京電機では、これまで様々な遠隔電源制御システムに製品を提供してきました。
その中には、サーバーを活用したシステムも数多くあります。
例えば、障害が発生した時、アラートを受けた担当者が、システムの状況を判断しながら、サーバー経由で、機器の電源制御を行い、障害に対応すると言ったケースがあります。
これは、障害を、素早く回復させる優れた手法となってきました。
しかしながら今後は、IoTをさらに活用し、可能な限りサーバーの判断で電源を制御し、適切に障害を回復させることが求められてゆくことでしょう。
仮にですが、ネットワーク監視システムと、遠隔電源制御システムが融合し、そこにAI技術が加われれば、ネットワーク障害発生後、サーバーの判断で、いくつかの通信機器の電源制御を実行し、障害箇所を特定しつつ、システムを回復させるといった仕組みが可能になるかもしれません。
情報が蓄積されてゆくにつれて、障害発生を予測した機器の再起動など、予防保守の実現なども期待されるところです。(アウトオブバンド管理が前提)
少し、想像を膨らませすぎたかもしれませんが、IoTを活用した遠隔電源制御は、システムの安定稼働を支える保守機能として大きな可能性を秘めているものと思います。
明京電機では、2022年より、遠隔電源制御用のサーバーを提供してゆく予定です。 (お問い合わせはコチラから)
リブーターを、いつでも、どこからでもサーバーにアクセスするだけで、簡単に管理・制御することができるようになります。
小さなスタートですが、利用者の必要を満たしつつ、IoTを十分活用した遠隔電源制御システムへと繋がってゆくことを願っています。